少子高齢化に伴って高齢者の数が増加するつれ、老人ホームの需要が高まっています。とはいえ、入居希望者の需要に対応できているとは言えないのが現状でしょう。そのため今現在も一人暮らしを続けている高齢者も多くいますが、実は高齢者の一人暮らしが結果的に高齢者自身にとって良い結果をもたらしている側面も無視できません。

それというのも老人ホームでは認知症を予防するために頻繁にレクリエーションなどを行って入居者の頭の体操を促していますが、レクリエーション中は当然職員による見守りが必要になるため行う時間が限られて、十分な頭脳労働が出来ていない側面があります。さらに、入居者の性格などに合わないこともあり、自分からレクリエーションに参加しようとせず、認知症予防効果が薄くなってしまうのです。

しかし一人暮らしでは否応なく家事などを行う必要があるため、自然と頭を使うことになり、結果として認知症の予防になっている傾向が見られます。また身体も同時に動かす事で筋肉の減少を防ぎ、免疫力を維持することで病気の予防にも繋がる部分があり、必ずしも老人ホームに入ることが人生を豊かにしたり長生きすることに繋がるとは断言できなくなっているのが高齢者の現状と言えるでしょう。もちろん老人ホームとの相性もありますし、同じ入居者同士の交流も生まれるため一概にはどちらが良いとも言えませんが、高齢者の一人暮らしも老後の人生の選択肢に入れても良いメリットがあることは覚えておくべきだと言えるでしょう。色々と心配事も多いかと思いますが、高齢者の一人暮らしはデメリットばかりではないのです。